読書旅vol.10|たかのてるこ『ダライ・ラマに恋して』
今回選んだ1冊は、2004年に刊行/2007年に文庫化されたたかのてるこさんの旅エッセイ『ダライ・ラマに恋して』(幻冬舎)。舞台はチベット自治区、並びにインド北部のチベット文化圏です。 実はこれが私にとって初めてのたかの作品。最初は代表作『ガンジス河でバタフライ』(2000年/幻冬舎)を攻めるべきかとも思いつつ、1つ前に読んだのが椎名誠さんの『インドでわしも考えた』だったので(*詳しくはこちらから)、「せっかくなら違う文化の話が読みたいな~」と『ダライ・ラマに恋して』に手が伸びました。 そんなこちら側のどうでもいい経緯はともかく、たかのさんの人懐っこい筆致で紹介されるチベット仏教哲学が、いまの…