禅と日本文化の現代性
今日11月3日は文化の日である。それこそ、鈴木大拙居士の『禅と日本文化』(岩波新書)、柳田聖山先生『禅と日本文化』(講談社学術文庫)などに顕著なように、日本の思想研究の一部では、日本の伝統的な文化(茶道・華道など)に禅の影響があったとしている。もちろん、その後の現代的研究に依って、その影響の範囲は極めて限定的であったことがしられ、今となっては議論はかなり下火になっていると思う。ただし、禅が日本文化に影響しているという時、どの辺りが期待されていたのだろうか。気になった一節を紹介しておきたい。例えば、大拙居士は日本文化における禅宗が果たした役割の源泉を、以下のように指摘する。一、禅は精神に焦点をおく結果、形式を無視する。二、すなわち、禅はいかなる種類の形式のなかにも精神の厳存をさぐりあてる。三、形式の不十分、不完全...禅と日本文化の現代性