南詢病居士=京極高門「湯沢紀行(春の家づと)」より(その1:伊豆大島の噴火)

南詢病居士=京極高門「湯沢紀行(春の家づと)」より(その1:伊豆大島の噴火)

今回はまた新たな紀行文を読み込んでみたいと思います。南詢病居士「湯沢紀行」という貞享元年(1684年)の紀行文ですが、その中にいくつか興味深い記述が見えますので、それらを掘り下げてみます。今回は差し当たり「近世紀行日記文学集成 一」(津本 信博編 1993年 早稲田大学出版部、以下「集成」)に所収されている翻刻に従って読み進めます。巻末の解題によれば、著者は次の様に紹介されています。南詢病居士とあるのは、...