雑 第二十五 其15(富永仲基『出定後語』を学ぶ42)
ここ1年以上にわたって、最後の一章「雑」を採り上げています。本章は「雑」の字の通りで、他に一章を立てるほどが無い程度の内容でもって、様々な事柄を富永仲基が論じたものです。本当に種々雑多な内容ですが、見ていると20前後の節に分けられそうなので、一つ一つ見ていきたいと思います。浄飯王泥泹経に、「仏、躬ら棺を担わんと欲し、世界震動す」と。普曜経に、「仏、身を虚空に踊らして、父王の作礼を受けず」と。増一経に、「養母大愛道没す、仏、躬ら床の一脚を挙げ、阿難も一脚を挙ぐ」と。盂蘭盆経に、「仏弟子の孝順を修する者は、応に念念中、常に父母乃至七世の父母を憶うべし」と。弥沙塞律に、「父母聴さざれば、出家を許さず」と。又た或いは云く、「衣盂の資を減じて、以て父母を養う」と。或いは云く、「世、若し仏無くんば、善く父母へ事えよ、善く父...雑第二十五其15(富永仲基『出定後語』を学ぶ42)