洞門寺院に於ける年末行持について
いよいよ令和2年も今日と明日で終わりとなる。今年は、新型コロナ禍の関係で、例年通りの過ごし方が出来ないため、外出が著しく減った関係で、季節感がほとんど無い。日付を見て年末を知るようなものである。ということで、せめてこの記事でもって年末を知りたいものである。ところで、道元禅師の『永平広録』を見てみると、「除夜の小参」が行われていることは理解できるが、それ以上の行持は不明。なお、除夜の鐘は伝統的な行持ではないので、古来の一切の記録に見出していない。ただし、「除夜昏鐘」という用語はいくつかの記録に見えるが、これは「除夜の日に行う昏鐘」ということで、日常的に行われている「夕方の鐘撞き」のことである。また、現在、「国立国会図書館デジタルコレクション」で、「除夜」及び「除夜の鐘」で検索してみると、大正年間より前は、「除夜の...洞門寺院に於ける年末行持について