釈尊の苦行について(拝啓 平田篤胤先生18)
前回の記事は、「悉多太子の修行について3」と題して、篤胤自身が釈尊のアーラーラ仙人の下での修行について、批評している言説を見たが、今回からは、篤胤が釈尊の苦行について論じているので、この記事で見ておきたい。さて悉多は阿羅邏仙人を調伏し、夫より伽闍山苦行林中に入り、尼連禅河と云川の側に、静座観想して苦行を修し、日に一麻を食し或は一米を食し、或は二日又は七日に一麻米を食す。『平田先生講説出定笑語(外三篇)』43頁、漢字などは現在通用のものに改めるまずは、以上のことから始まる。なお、この後、苦行に入った悉多太子を心配して、浄飯王が色々と世話を焼こうとする様子が語られているが、それは後述する。それで、上記の典拠は『過去現在因果経』巻3であるため、これまでと同様だといえよう。ところで、篤胤はまず、釈尊伝を辿りながら...釈尊の苦行について(拝啓平田篤胤先生18)