戒定慧(其の二)(指月慧印禅師『荒田随筆』参究19)
江戸時代の洞門が輩出した学僧・指月慧印禅師の主著である『荒田随筆』を学ぶ連載記事であるが、前回から「戒定慧」という一章を学んでいる。早速、本文を見ておきたい。其の行善は、卒暴ならざるの地に住し、謙譲・忍和、己を空じて他の美を歎じ、動止柔に克めて徳音景行し、志と言と共に道を以て寧し接す仮事にも善を善んす。是れ奉善の義なり。其の饒益は、抜苦与楽の事、物に対するに父母の懐に居て、他の違順を見ざる。仁愛是れ常とす。而も自得の道を以て人を化して止悪作善の徳に進しむ。凡そ独善偏行無く、慈愍倦まざるは、是れ利物の懐なり。此の三は、戒度の大約なり。然して毘尼の種品多少の名義、大小の律を総に、是の三を出でず。若し大小の戒相・篇聚の義分に至は、経論の頒宣する所、皆な以て其の宜ずる所に投ず。故に一種に定こと無し。唯だ定むる所は、諸悪...戒定慧(其の二)(指月慧印禅師『荒田随筆』参究19)