「猪八戒」という不思議な存在
『西遊記』に登場する「猪八戒」という不思議な存在が気になっている。もちろん、ブタ(イノシシ)の妖怪キャラ、ということがではなくて、名前の「八戒」についてである。なお、この「猪八戒」の名前については、日本で江戸時代以降に多数作られた『西遊記』の絵入り本やその類本にも、理由が書かれるところである。其往昔は天上に在て、天逢元帥の職を任ぜられしが、王母瑶池の会の時、我酔に任せ、常娥を捕へ戯れし科により下界へ逐下され、錯つて猪の胎に入り、遂に此山に止り、名を猪剛鬣といふ者なり。『絵本西遊記全伝』、漢字を現在通用のものに改めるこの元々天人だったのが、猪八戒である。ただし、天上界を追放されて、人間界に降りてきたのだが、その際に、猪に生まれ変わってしまったという。それで、その後、孫悟空と遭遇し、問答をするのだが、孫悟空に...「猪八戒」という不思議な存在