戒定慧(其の一)(指月慧印禅師『荒田随筆』参究18)
江戸時代の洞門が輩出した学僧・指月慧印禅師の主著である『荒田随筆』について学ぶ連載記事である。今回から、版本で上巻之下に入っていくが、本巻は「戒定慧」「諦縁度」「伝教」の三章からなっている。それで、今回からは「戒定慧」の一章を学ぶのだが、これが曹洞宗的には難しい。一般的な仏教では、「戒定慧の三学」などと呼ばれ、持戒⇒禅定⇒智慧という風に修行の階梯を上っていくイメージがある。ところが、曹洞宗では道元禅師が以下の教えを残しておられる。はじめ達磨大師、崇山の少林寺にして九年面壁のあひだ、道俗、いまだ仏正法をしらず、坐禅を宗とする婆羅門となづけき。のち代代の諸祖、みなつねに坐禅をもはらす。これをみるおろかなる俗家は、実をしらず、ひたたけて坐禅宗といひき。いまのよには、坐のことばを簡して、ただ禅宗といふなり。そのこころ、...戒定慧(其の一)(指月慧印禅師『荒田随筆』参究18)