篤胤の天竺論(1)(拝啓 平田篤胤先生5)
平田篤胤先生(1776~1843)の『出定笑語』についての連載であるが、今日も本文を見ていきたい。それで、一から十まで全部採り上げるのは、分量的に難しいので、拙僧が読んでいて気になった点を中心に見ていくことにしたい。今日は、いよいよ仏教批判に入ろうとする篤胤が、まずインドという国・風土について論じたのである。偖まづ天竺の国は誰も知ての通り、御国からは漢土を隔てヽ西の方に有国で、すなはち西洋人の五大州と名づけたる、其第一の亜細亜と立たる州の内でござる。さて其国がらのことは、世のおと人どもは何か結構な国の様に心得違ひをして居るけれども、実はもろこしよりもまた余程わるい国でござる。然るを坊主どものそれをよざまにとりなして云ふは、どうしたことじやと云ふに、これはちやうど漢学者の何もかも漢土がよいと贔屓すると同じ事で、自...篤胤の天竺論(1)(拝啓平田篤胤先生5)